歯周病

【歯周病の治療】

あなたはこういう経験、ありませんか?
歯ぐきがむずむずする、歯ぐきから血が出る、口臭が気になる、歯が揺れる、歯が伸びてきた気がする、朝起きたとき口が粘ついたり妙な味がする…

これらは歯周病の患者さんが訴える症状です。
もし気になることが一つでもあれば、病院で歯周病の検査をするようおすすめします。
歯周病とは?

ひと昔前は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていました。

歯周病とは、歯の表面につくプラーク(細菌のかたまり)によっておこる、歯ぐきや骨の病気です。

歯の周りには、歯を支える様々な組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)があります。
歯周病は、これらの組織が細菌に感染して起こり、次第に歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。
つまり虫歯は歯が溶ける病気ですが、歯周病は骨が溶ける病気なのです。

また、自覚症状が少ないうちに病気が進み、気づいたときにはかなり進んでいることも多い、怖い病気です。
現在ではむし歯以上に歯を失う原因としてもっとも多いのが、この歯周病です。
歯周病の直接の原因は、細菌です。
ヒトは母親の胎内では無菌ですが、出生し成長する段階でいろいろな細菌の感染を受けます。

しかし、同じように細菌感染した人たちが、同じように歯周病にかかるわけではありません。
それはなぜでしょうか。

じつは、個々のライフスタイルが密接に関係しています。
最近の研究では歯磨きの不足、食生活の不摂生、喫煙などの悪いライフスタイルや、糖尿病など全身の病気が影響し、体の抵抗力が低下することで発病し進行してしまうと考えられています。
以上のようなものを「歯周病のリスクファクター」と呼びます。
リスクファクターは、努力次第で無くすことができるものです。

また歯周病にかかりやすい歯ぐきというのは遺伝することがあります。
「歯周病の感受性」といいますが、これは親からもらったものなのでどうしようもないのです。
ただし、感受性が高いというだけで、口の中の細菌が少なく清潔であれば病気が発生したり進行することはありません。
感受性の高い方は、普通の人に比べてより一層丁寧に歯磨きをしてプラークコントロールを行う必要があるということです。

ある統計では、20代で60%、50代では85%以上の人が、歯ぐきに病気があるといわれています。

歯周病の治療って?

大きく分けてふたつです。

ひとつは病院でのケア
もうひとつはお家でのケア(セルフケア)

特にセルフケアがとても大事です。

お家でのケアは、プラークコントロールのセルフケア、つまり歯みがきが中心となります。
歯周病や虫歯の原因はプラーク(口の中に住む細菌のかたまり)です。プラークは適切な歯みがきによって、ほとんど取り除くことができます。

つまり、自分自身で良いプラークコントロールを続けることで歯周病を予防したり、さらには治療の効果を最大限に上げることができるのです。

プラークコントロールは、全ての治療において基礎になる最も重要なものです。
たかが歯みがき、とあなどってはいけませんよ。

またリスクファクターを減らすにはただ歯を磨くだけでなく、生活習慣から見なおして改善する必要があります。
患者さんのライフスタイルや習慣などをよくお聞きして、その人に必要なアドバイスをしていきます。

病院でのケアは、セルフケアを行う上での助けになるものです。

まずはプラークコントロールのアドバイスやトレーニング。
お家でのセルフケアを上手に行えるよう、歯科衛生士が親身になってアドバイスします。歯みがきのテクニックが不足している場合は、そのトレーニングを行います。
現在お使いの歯ブラシや歯の清掃道具をお持ちください。お使いの道具に過不足がないか、正しく使えているかを見ていきます。

そのほか、お口の中で歯周病に悪影響を与えていると考えられるプラーク以外の原因についても追求し、適切なアプローチをしていきます。

歯石を取ることについて

必要であれば歯石除去を行います。
歯石がプラークコントロールのじゃまになり、歯石のせいでどうしてもセルフケアがうまくいかないと判断されれば除去します。

歯石を取るのは必要があるときに、取る時期を見極めてから行わないと、逆に歯石除去することで悪影響を及ぼしたり、せっかく除去しても何の良い効果も得られなかった、という結果になることがあります。
ですので、nina Dental Clinicでは「初めまして。歯石をお取りしましょう。」ということはしません。歯石を取るためだけの検診なども行いません。(意味がないからです)

定期検診のたびに歯石を取るとか、歯周病の治療は歯石を取ることのように教えられ、簡単に歯石を取る習慣が付いている方にはちょっと意外で「えっ?」と思われるかもしれません。

でもいままで歯石を除去するだけで歯周病が治りましたか?再発は防げましたか?
歯石がついていてどんな不都合がありましたか?
しなくていいことまでしていませんでしたか?

治療とは、本当に必要なことだけを必要になったときにすればいいのです。

軽度や中度の歯周病なら、以上の方法で改善します。
しかし重度の場合は、「歯周外科手術」という外科的治療が必要になることもまれにあります。

最近では溶けてしまった歯槽骨(あごの骨)を再生しようとする「歯周再生治療」が注目を浴びるようになりました。
歯周病治療としては夢のようですが、全ての方に有効な治療法ではなく治療が可能なケースがごく限定されています。現在行われている歯周再生治療は、「GTR(GBR)法」と「エムドゲイン療法」の2種類が一般的です。

しかし体の外科手術と意味合いが違うのは、重度の歯周病だからといって手術をすれば良くなるというものではない、ということです。

歯周病は、病院にお任せで治る病気ではありません。患者さんご自身が「治したい」と思って初めて良くなっていく病気です。「先生にお任せします」では、絶対にだめなのです。
そして本当の意味での「治る」ということがほとんど無い病気です。良くて「進行を止める」です。
ninaD.Cはひとりの患者さんにひとりずつ担当の衛生士がいます。
歯科医師と担当衛生士が責任を持って治療にあたります。